2018-04-24 UPDATE

配信狂宴 ストリーム・ホリック! No.2 「ライブストリーミングはこうして生まれた!」

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今やライブストリーミングといえば、Youtube Live、Twitch、ニコ生等様々なプラットフォームが存在する。今回はその誕生から現在までの変遷をたどりつつ、ライブストリーミングへの理解を深めたい。

ライブストリーミングの誕生

おそらく、一般ユーザーがライブストリーミングー特に映像のーを比較的自由に行えるようになったのはPeerCastが最初だろうと思う。PeerCastはインターネットラジオの配信システムとして2002年に誕生し、後に動画配信にも対応したストリーミングシステムだ。2ちゃんねるを中心に注目を集め、一部のギーク達が日夜ゲームや音楽の配信を行っていた。当時は著作権の認識も甘く、市販音源やテレビ映像の配信があったりと、だいぶアングラな雰囲気が漂っていたように思う。

PeerCastはその名の通りPeer to Peer(P2P)でライブストリーミングを行うシステムだ。P2Pとは、簡単に言えば、利用者のコンピューター同士が直接通信する方式である。当時はインターネットの帯域があまり広くなかったため、配信元のデータを樹形図のように中継していくことで大勢の視聴に対応できる画期的なシステムだった。

筆者は当時、PeerCastを使ってフリーゲームの配信を試みたことがある。しかしながら、ゲームの処理ですらいっぱいいっぱいだった筆者のPCから出力できたのは、紙芝居のような映像ーもはや画像?ーだった。当時の一般的なPCにとって映像配信は非常に荷が重い処理であった。そのため、比較的自由に配信が行えるとは言っても、映像配信は高価で高性能なパーツを搭載したPCを所持している一部のギーク以外にとっては敷居が高い行為であることには変わりなかった。

さらには、PeerCastはそれさえあればライブストリーミングが行えるというものではなく、データのストリーミングを行う機能だけを提供するシステムだったため、別途再生ソフトやエンコーダーを設定したり、ネットワーク環境によってはルーターの設定を変更する必要があったりと、利用に際してはある程度PC操作やネットワークの知識が要求された。このようなこともあって、本当に「誰もが」ライブストリーミングを行える環境とは言えなかった。

ライブストリーミングが身近なものに

そういった状況もあって、当初ライブストリーミングはギークを中心に極一部で賑わいをみせていたにすぎなかったが、2007年を堺に一気に普及を加速させることになる。2007年3月ライブストリーミングプラットフォームUstreamのベータ版がオープンした。

Ustreamは配信・視聴・コメント・チャンネルの検索など一通りの機能を一つのプラットフォームとして統合しており、配信者と視聴者それぞれの利用手順を簡略化した。このようなプラットフォーム化を行ったサービスは当時他にも存在していたが、政治やスキャンダル等、より一般大衆の関心を集める配信を積極的に行ったことが幸いしてか、一気に「ライブストリーミング=Ustream」という認識が広まっていった。

2007年はまさにライブストリーミング元年と呼ぶにふさわしい年で、後のTwitchとなるJustin.tvや国内で絶大な人気を誇ったニコニコ生放送もこの年に生まれたサービスである。この頃にはブロードバンド回線の普及も進み、サーバー・クライアント方式での配信が一般的になったことで利用者側の敷居も下がり、ますます気軽にライブストリーミングを利用できるようになっていった。

(なお、Ustreamは2017年にIBMに買収され「Ustream」という名前は過去のものとなったし、Justin.tvはゲームのライブ配信に特化した「Twitch」を生み出しJustin.tvそのものは閉鎖された。ライブストリーミングの世界はとても移り変わりが早いのだ。)

手のひらサイズの配信環境

気軽に利用できるようになったとはいえ、ある程度の性能を持ったPCが必要という制約は依然としてあった。しかし、その問題もすぐに解消されることになる。スマートフォンで手軽に配信が行えるサービスの登場だ。

その代表格がツイキャスだろう。スマートフォンから簡単にライブストリーミングが行えるサービスとして2010年にオープンした。既に普及が進んでいたTwitterをはじめとしたSNSのアカウントと連携して、スマートフォンさえあればすぐに配信が始められるという手軽さから人気を集めたライブストリーミングプラットフォームだ。

国内では2008年にiPhone 3Gが発売されて以来、スマートフォンは瞬く間に浸透していった。誰もがスマートフォンを持つ時代に、スマートフォンさえあれば気軽に配信が行えるサービスが誕生したことにより、ついに「誰もがライブストリーミングを行える」時代が到来したと言えよう。

世はまさに配信戦国時代!?

誰もが手軽にライブストリーミングを行えるようになった今、たくさんのライブストリーミングプラットフォームが生まれ、それぞれが独自の機能やサービスを開発し競合との差別化を図ろうとしている。かつてライブストリーミングの代名詞ともいえる存在であったUstreamも今や過去のものとなっているように、ライブストリーミングの世界は日夜目まぐるしい変化を続けている。

この先どのプラットフォームが天下をとるのか。はたまたまったく別の何かが現在のライブストリーミングに取って代わるときがくるのか。息をつく間もなく進化を続けるライブストリーミングの世界はこれからも想像を超えるスピードで変化し続けるだろう。

WRITTEN BY

オカノ -大地- ダイチ

映像ディレクター。
演出映像やライブ配信が大好き!
制作動画の一部が見られます↓

https://www.youtube.com/playlist?list=PLAkNWkZK1C8_NSC7bLWq60B0mz7_XNCen

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